1989年に、ミシガン大のローリング・ブレイス教授らは「Reflections on the Face of Japan」という論文をAmerican Journal of Physical Anthropologyに発表した。この論文で、ブレイスらは、鎌倉の材木座・極楽寺付近から出土した1333年の鎌倉攻めの犠牲者人骨の歯のサイズと頭蓋骨計測データを用いて、鎌倉武士はアイヌと近縁であるという説を唱え、アメリカで注目を集めた。
ここで使われているDNA分析は、STR(short tandem repeats)分析と呼ばれるもので、DNAの中の3〜7塩基対で構成される短鎖反復配列のパターンを調べるもの。ニットのセーターに例えていうと、連続反復される「単純編み」の部分が、セーター全体でどのようなマッピングになっているか調べるものだ。マッピングのイメージは、たとえばこんな感じ。